本当の花嫁修業(18R)

※主フロ18禁注意

1、修道院

オラクルベリーから南に少し行った所にある修道院は女だけの聖地である。女だけの聖地として名高いのには理由が二つあった。一つは厳格な修道会の管理によって慎ましい生活を送ることが出来ること。二つ目は花嫁修業の場として特にお金持ちの間で有名だからであった。

フローラは窓から月を見上げた。月の形が満月になってしまっている。これが新月になるまでに花嫁修業を終え、サラボナに帰らなくてはならなくなったのだ。
フローラにとってきらびやかなサラボナは遠い故郷である。修道院での慎ましい生活こそフローラの心にはとても合ったものだったので、望むことができるならばフローラはここにずっと居たかった。
今日から花嫁修業の最終段階を始めると院長が言っていた。今までの修行と違い、夜に行うらしい。夜と言えば明かりをつけて本を読んでいると怒られるばかりだったのに、今度の修行は夜に行うと言う。フローラは修行がどんなものなのか、楽しみでしかたがなかった。

「フローラ、時間ですよ」
フローラを連れに来た年配の修道女は手にランプを持っている。人々が寝静まった修道院を、ランプ一つで歩くのは面白いことだった。フローラは思わずキョロキョロとあたりを見ながら歩いてしまっていた。
「地下に行きますから、足元の階段に気をつけて」
フローラは修道女に連れられて隠し扉の向こうにあった狭い階段を降りた。階段を降りるとさらに重い扉があって、修道女が扉を開けた。
「さあ、お入りなさい」
フローラが入ったのを確認すると修道女は扉を閉め、ガチャリと錠を下ろす。厳重すぎると不思議に思いながらも、フローラはまだこのときこれからなにが起こるのか気付きもしなかった。

「フローラ、そこに横になりなさい」
修道女が五人立っている。中央には台があって、台の上にはやわらかそうな布が引いてあった。
「そこにですか?」
「そうです」
奇妙に思いながらもフローラが横になると、修道女たちは台の下から鎖と手錠を取り出し、フローラの腕と足に布を何枚も重ねた上に手錠をかけていく。
「ちょっと、どういうことですか、これはいったい…うっ」
修道女の指から弱めのラリホーが発せられると、フローラは一時的に意識を失った。

次にぼんやりと意識を戻したフローラは、自分が衣類をまったく身につけていないことに気付いて起き上がろうとした。しかし、ジャラという音とともに手錠と鎖が彼女の体を押さえつけていてフローラは何も出来ない。ランプの弱めの光のなか、フローラは自分の白い肌を照らされて体を捻った。

「フローラ、花嫁修業とは姿勢と心だけではありません」
「…まだ何があるというのですか」
「殿方と暮らす準備です」
修道女たちの手がフローラの体に触れる。良い香りがするオイルを体に垂らされ、10本の手が縦横無尽にそれを体に広げていくのが奇妙な感覚だ。
「女だらけの修道院に暮らしていては殿方を満足させる体にはなりえません。かといって、夫となる殿方に純潔のままとつがせなければ修道院の恥です」
修道女の手がフローラの胸を優しく揉みだした。残る手も足の付け根や鎖骨、首、脇の下などをさすっていく。
「で、でもこんな…っ」
「安心しなさい、あなたにとって悪いことはひとつもありませんわ」
フローラは始めての感覚に違和感をぬぐえなかった。
「目を開けていなさいフローラ。どこをどう触られているのか把握しなさい」
自分の裸体をまじまじと見つめながら、しかも揉みしだかれる所をみるなど、フローラには何の意味があるのかさっぱりわからなかった。

次の日、フローラは修道女に5冊の本を渡された。
「これを夜までに読んでおきなさい」
修道女が去った後、本を開くと、そこには裸で絡み合う男女の絵があった。
「これは…!」
思わず本を閉じ、周りに人が居ないことを確認して他の本も開いてみる。3冊が春画(性欲を刺激するような絵)つきの本で、中には小説形式のものもあった。2冊は性行為についての知識の本であった。
「これを読んで、夜はああされて、花嫁になるための準備だっていうの。なんてことかしら。お父様たちはきっと知らないわ…」
フローラは大きくため息をついた。

その日の夜、フローラは昨晩と同じようにオイルを垂らされた。
修道女は言った。
「今日から目をつぶりなさい」
良かったと思って素直に目をつぶると、修道女が次々と問いかけてくる。
「あなたは好きな男性がいましたか」
「…子供の頃でもいいのでしょうか」
思い出すのは、船の中で一度会ったきりの男の子。黒い髪に不思議な黒い目をした優しげな男の子…
「彼が大人になったところを想像してください」
「はい」
と言ってもどうなっているかなど想像もつかない。
「あなたよりも高い背丈、たくましい体。想像しましたか」
「はい」
「彼に抱きしめられるところを想像しなさい」
「ええっ」
驚いて体を起こそうとしてしまった。ついていた鎖が激しく音を鳴らす。
「想像です。想像しなさい」
「はい…」
「彼が好きですか?」
「はい」
「彼に胸を触られたらどうですか」
「えっ」
「目を開けない!」
「はい…」
目を閉じさせられ、彼のことを想像させられる。
「彼に胸を触られ、足を撫でられていると思いなさい」
「はい…」

翌日は目隠しをさせられた。
「あなたは目を開けてしまうからこうしましょう」
修道女が淡々と言うので、これも修行の一つだと思ってしぶしぶ従った。
「今日はこれを飲みなさい」
と、コップを渡された。匂いをかぐと、果物酒のような香りがする。少し口に含むと葡萄の味が広がっていく。
「葡萄酒ですね」
「その通りです。さあ、全部飲んで」
「全部?!」
修道院で酒をたしなむことなどない。あるとすればオラクルベリーに買出しにいったときにこっそりということだけだ。他の花嫁修業仲間がこっそりと買って怒られていたのをみたことがある。
全部飲んでしまうと、なんだか頭がくらくらするのを感じた。意識が曖昧になってきて、言葉だけが頭に響くのだ。
「フローラ、あなたの好きな人のなまえは」
「リュカ…」
「リュカがあなたの体を触ります」
二つの手がフローラの胸を揉み始めた。
「あ…」
胸の突起を指がぎゅっと摘むと、体に痺れが走った。
「好きな人に触られることは幸せなことなのです」
修道女の言葉が雨のように降り注ぐ。
「リュカがあなたの足を触ります」
太ももを、足の付け根を手のひらと指で撫でられて思わず足が震えた。
「リュカがあなたの大切なところを触ります…」
自分でも触ったことがない足の間に指が触れた。指が動くとなにか滑って心地よい。フローラは自然と足を開いてしまっていた。
閉じている肉を開き、湿っているところを余すことなく指で追われた。
「はぁ…なんか、あぁ」
指がさらに滑って、ぐちゃという音を立てた。指が体の中に差し込まれたのがわかった。
「え、やぁ、そんなとこっ…」
「リュカが触っているのです」
指は円を描くように中をかき回し、しばらくすると穴を広げるように動き始めた。
いつのまにか両指が差し込まれていて穴は広がりつつあった。
ふと、片手が離れたかとおもうと、次はなにか指でない少し大きいものが差し込まれたのがわかった。
それが細い木で出来た丸い筒のようなものだと分かると妙に恥ずかしくなったが、アルコールが回っているせいでフローラにはまともに物事を考えられなかった。
指はその筒をぐるぐると動かした。フローラはよくわからない感覚を味わいながら眠りについてしまった。

次の日、目を覚まして起き上がると、自分の中に何かが入っているのがわかった。
「え…まさか昨日の」
筒を入れっぱなしにされたのだろうか。自分で取るのも恥ずかしい、しかし、その筒を意識するほど足の間に変な感覚が生まれていく。
フローラが戸惑っていると、修道女がドアを開けた。
「それをはずしてはいけませんよ」
「なぜです!」
「それをはずすと、今日はもっと痛いですから」
「痛い…?」
フローラに修道女の意図はわからなかった。

その晩、フローラがいつものように台に横になり、目隠し・手錠・飲酒を済ませると、一日中体に入れられていた筒を引き抜かれた。
筒を引き抜かれると、それと一緒にぬるぬるした液体が足の間に流れるのがわかった。
修道女が二人、フローラの足をおさえた。
「うっ」
フローラは足の間に先ほどの筒よりも大きなものが差し込まれたのを感じた。
割り込むように、裂くように入り込んでくるそれは、筒と違ってしっかりと中身が詰まっているようだった。重みが少し有り、フローラは違和感に腰を捻って不快感をアピールしたが、修道女の一人がフローラの腰を押さえてしまった。
フローラの肩をもう一人が押さえ、残った最後の一人がその太い棒を動かした。ぐるぐると回し、落ち着いたら入れたり出したりする。
「いやぁあ」
「リュカがしていると思いなさい」
「やぁ…ん」
腰を押さえている修道女が胸を揉みだし、足を押さえている修道女が足の間を触りだす。
「こんなのって…ぁあ…!」
「だいぶ広がりましたね。素直に従ってくれたおかげで早く済みました」
修道女の声が腑に落ちない。
フローラは目隠し越しに修道女たちを睨んだつもりだった。
「痛くないことを願っています。修行は今日で終わりですから」
そう言われ、ラリホーをかけられて、フローラは意識を失った。

父の迎えが来て、こんなに嬉しいと思うことはない。フローラは苦笑した。
修道院であのようなことを続けられるならさっさと帰ったほうがましだ、と思えたのだ。
だが、あれに似た行為を仮にも夫となる人物、リュカではない誰かにされるのかと思うとますます嫁になど行きたくなくなるのであった。
「はぁ、気が重いわ…」
オラクルベリーの海は今日も青かった。