2011-01-01から1年間の記事一覧

とらわれる

「弁慶さんがこの世界に残ってくれるなんて…夢みたい」 「僕こそ、夢の中に居るみたいです。君の側に居ることが出来て、しかも君に手を取ってもらえるなんて」 「べ、弁慶さんが手を握っていて下さいって言ったんですよっ」望美は恥ずかしくなって顔を背けた…

ときめきに策略

「弁慶さんいきますよーっ」えいっ、という掛け声と共に良い音がしてバドミントンの羽が宙に舞った。スカートとは思えない望美のキレのあるラケット捌きに苦笑するのは、白いコートを着たままの流麗な軍師。「君とこうして遊びに興じられるなんて…熊野以来で…

太陽神の贈り物を尋ねて8

イザ一行はサマンオサの洞窟の地下二階で宝箱を開け続けていた。 まずイザがインパスを唱え、色を判別してから箱を開ける。 中身はたったの24ゴールドから命の石まで千差万別であったが、開ける価値はあった。 貴重な命の木の実もあったからだ。「しっかし、…

太陽神の贈り物7.5

「ぎゃあっ!…なんだよ、イザ、ひやっとしたじゃねえかよぉ」 「ごめんごめん、悪気はなかった」サマンオサの洞窟は沼地の真ん中、古びた橋を渡った先にあった。 朝起きたイザたちはカンダタが手紙を残して別の手がかりを探しに行ったことを知り、自分たちだ…

太陽神の贈り物を尋ねて7

「ここがサマンオサか…」今まで居たランシール、アリアハンは海の国であり南国で暖かだったが、 途中で通ったバハラタは乾燥した大陸、グリンラッドは驚くほどの雪景色… もとの世界であれほど雪が積もっている場所をイザはまだ見たことがなかった。 もっとも…

太陽神の贈り物を尋ねて6.5

カンダタの言った通り、サマンオサの城にはなかった。 だが幸い、サマンオサの王族がサマンオサの洞窟に奉納しなおしたことを聞くことができたので、一度奉納したものをまた借り出すのもあれだが、洞窟に向かうことになった。カンダタはイザたちよりも遥かに…

太陽神の贈り物を尋ねて6

ルイーダの酒場を出たイザたちは再びアリアハンの港へ行き、バハラタ行きの船に乗った。 ランシールからアリアハンに向かうよりもはるかに時間はかかったが平和な船路で、出たモンスターといえばしびれくらげかマリンスライムくらいであった。平和な海にかも…

【性別反転主ミレ4】

主ミレの性別を逆にしました。苦手な方はよまないように***「王女さまは大人におなりになりましたのねえ。昔はこうやってドレスを着させようとするとイヤイヤって暴れて、そりゃもう、手がつけられなくて」記憶を取り戻して父と母の所に戻った所、王女の…

【性別反転主ミレ3】

主ミレの性別を逆にしました。苦手な方はよまないように***金の長い髪をそよがせ、手には奇跡の剣を握り締め、夕焼け色の帯を風になびかせる背の高い男の凛々しい後姿。 前から覗き込めば、今度は神の像のような彫が深くて整った白い顔に切れ長の目が色を…

【性別反転主ミレ2】

主ミレの性別を逆にしました。苦手な方はよまないように***「僕が王女様に似てるって?…あはは、そんなわけないって、ライフコッドの村娘だよ?牛の扱いなんて男よりもうまくて、男勝りーなんて言われてた僕が王女様に似てるだなんて」何も知らないイザは…

【性別反転主ミレ】

主ミレの性別を逆にしました。 苦手な方はよまないように* * *太陽に愛される子。 青い髪、青い目の、男勝りな美少女が走り抜けていく。「やあああああっ!」ザクッ、肉が断たれる音の後、地に降り立つ身軽な足音。 目を閉じていてもその光景は想像するに…