【性別反転主ミレ2】

主ミレの性別を逆にしました。

苦手な方はよまないように

「僕が王女様に似てるって?…あはは、そんなわけないって、ライフコッドの村娘だよ?牛の扱いなんて男よりもうまくて、男勝りーなんて言われてた僕が王女様に似てるだなんて」

何も知らないイザはからっと笑う。
知ってる者は複雑だ、とミレーユは思う。
彼女は村娘で男勝りだから一人称が僕なのではない、彼女は当初王子として生まれたことになっていた。つい最近まで王女と公表されていなかったのだから。彼女自身も王子として振舞うことに慣れてしまっていたが、弟王子が亡くなった際、両親が王子の姿で頑張る姉王女を見て王女と公表することを決めたのだと聞いた。

記憶を無くす前に出会った時も、彼女は男物の服を着ていた。
そして腰に細身の剣を差し、胸にはきつくさらしを巻いて、男としてムドー討伐に向かうつもりだった。
女であることをオープンにすることは、長年王子を演じてきた彼女にとって、負けることだったのかもしれない。
だが、女であることを認めて何も知らない彼女はなんと生き生きしていることだろう。

「ミレーユまで、僕にドレスが似合うと思ってるの?」
「似合うと思いますよ」

えー、と不満げな顔で見上げる彼女に微笑みかけた。

「でも王女は最近まで王子として生きてこられた方、男物の服で活動なさってたそうです」
「それは気が合いそうだ」

楽しそうにするイザを見て、あなたがあなた自身であるのに、とムドーの戦いを思い出して苦しくなる。
次は勝たなくては、次こそは勝って…