例えば君に恋人が出来たら

なんだか云々と悩ませると情けない男みたいですねww
こういうのは女の子に悩ませるほうが様になるんだけど…
書いてしまったものは投稿してしまおう

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ミレーユは故郷に恋人がいるんじゃないか。
そんな下らない「もしも」を考え始めたら止まらなくなってしまった。

ミレーユは自分の話をあまりしない。
どこからきたのか、きょうだいはいるのかとか、親の仕事は、とか…
話したくないってことは関係ない話なのかもしれない。

想像して苦しくなるのは、俺がミレーユのことが好きだから?
気付くとミレーユのことばかり考えてしまっているのもそうなのか?
不安要素があるとそこにひっぱられてしまう気がする。
考えたくないのに…

不安を口にするのは憚られるので、とりあえずためしにバーバラ恋愛師匠に聞いてみることにした。

「ミレーユに恋人がいたらどんな感じかって?お似合いな男?」

バーバラは唖然としたが、すぐに面白そうに笑い出した。

「どーしちゃったの、イザくん?そんなにミレーユが気になっちゃった?
…はやく言えって?うーん、そぉねえ。
案外正反対のタイプなんか合いそうじゃない?
明るくてミレーユが頼りにしちゃうみたいな男!
もし同じタイプだったらミレーユが気を張りすぎて疲れるとみた!」

ミレーユはクールで完璧な感じだから、そういう男のほうが合うのかなと思っていた。

「明るくて頼りになるといえばハッサンとかあてはまっちゃうけど」

自信満々に語ったバーバラは想像の世界に入っていた俺を現実に引き戻した。
俺は慌てて否定した。

「あのふたりじゃ、ないだろ」
「さてねぇ〜どうだかー」

話題を振ったくせに口笛吹いて歩き出すバーバラを軽く睨んで、空を見上げた。

夕暮れの空は金色の糸を引いて赤く染まろうとしている。
闇が訪れてまた考えてしまうだろうか。
彼女に他の男がいやしないかということを。